SICKO

 マイケル・ムーアの映画『シッコ』をDVDにて視聴しました。

 詳しい感想は別ブログに書いたので、ここでは、感銘を受けたイギリスの労働党の重鎮トニー・ベンもと議員が語る言葉について書きます。

 民主主義は貧しい者に投票権を与えた。

 権力の場所が市場から投票所へと移った。財布から投票へと。

 民主主義は最も革命的な思想だ。社会主義や何かよりよほどね。もし権力を持てば、自分やコミュニティの需要が満たせる。

 借金苦のものは希望を失い投票もしない。

 体制側は“投票を”と言うが、もし英国や米国の貧者が本気になって自分の代弁者に投票したら、真の民主主義革命が起こる。

 それは困るから、体制側は希望を奪う。


 「もし英国や米国の貧者が本気になって自分の代弁者に投票したら、真の民主主義革命が起こる。」

 
 1968年6月、カリフォルニア州での予備選の投票日、まだ投票所が開いていない朝早くから、RFKに投票しようとメキシコ系の人びとは長蛇の列を作りました。

 ジャック・ニューフィールドはそれを目撃して衝撃を受けたことを、ドキュメンタリー『Robert Kennedy: A Memoir』で語っています。


 いつもいつも、黒人は投票しない、メキシコ系は投票しない、インディアンは投票しないといわれ続けていた。彼らは政治に関心などないのだとね。

 しかし、そうではなかった。彼らは本当に自分たちが投票したい人がいれば、ちゃんと投票するのだ。


 貧者はロバート・フランシス・ケネディに投票するために、夜明け前から並んでいたという事実。

 ボビー・ケネディは本気で貧者の代弁者になるつもりだった、と私は思っています。(ニューフィールドの影響受けてますもので。)

 もし彼が殺されず大統領になっていたとしたら、果たしてアメリカに「真の民主主義革命」は起こりえたでしょうか。

 
 少なくとも一つ、確実に言えるのは、RFKが大統領になっていたとしたら、HMOはアメリカに導入されず、アメリカ国民はここまで医療に関して悲惨な状態に苦しまないで済んだだろうということ。

 『シッコ』で描かれる悪夢のような現実を生んでいる、私企業に過ぎない保険会社がアメリカの医療を牛耳るきっかけをつくったのは、ニクソンなのだ。

 

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