映像でみる60年代
このところ、本腰を入れて公民権運動について調べ始めたところです。
まずは大まかな流れをもう一度把握し直す目的も兼ねて、いくつかビデオを立て続けに観ました。
一つ目は、BBCが製作した『市民の20世紀』シリーズの一つが『人種差別との闘い』というタイトルのもので、図書館から借りて視聴。
これは、アメリカ合衆国の公民権運動と南アフリカの反アパルトヘイト運動をミックスする形で紹介しているもので、そのリンクのさせ方がいいと思いました。
どちらも本質は同じだし、やっていることも極めて似てますものね。
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それから、はるか昔に録画していたNHKとアメリカのテレビ局(ABCだったっけ?覚えてない)が共同制作した『映像の20世紀』の関連箇所も観なおす。
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こうして見直してみると、『映像の20世紀』第9集は、白人の黒人への暴力、それに反発する黒人の暴力、ヴェトナム戦争での暴力、次々と起こる暗殺と、1960年代アメリカ社会がいかに暴力に満ち満ちていて、互いの信頼感が寸断されていたかを強調する編集になっていて、何も知らない人がこれを観たら、アメリカってとんでもない国だという強烈な印象を受けるだろうなと感じました。
妙に印象深かったのは、ヴェトナムに深く介入していくジョンソン政権のレトリックの展開の仕方と、戦争遂行のために大統領に議会が絶大なる権限を委任してしまうところが、今のブッシュ政権とそっくりだったこと。
人間はなかなか歴史の教訓から学べないものですね。
もう一つ、ずっと前に観た、やはり録画していたTVドラマ『ローザ・パークス物語』を観直す。
バスで席を譲ることを拒絶する前、ローザ・パークスは投票のための登録をしようと何度も市役所(かな?)に足を運び、白人はすぐにできる登録であるのに、黒人には試験に答えろとたくさんの質問が書かれた用紙を渡され、答えを全て書き込んで提出すれば、窓口の係りはその紙を見もしないで「あなたは不合格」と告げる。
ローザが抗議すれば、「昼休み」の札を出されて、係りの女性は馬鹿にしきった顔で去っていくといった、屈辱の体験を繰り返し・・・というシチュエーションの部分で、いかに黒人の扱われ方が非道極まりなかったかが、よーく視聴者の感情に訴えかけるように演出されていて、唸りました。(ローザの登録をはばむ窓口係りの金髪碧眼の白人女性を演じる女優さんがまた、たっぷりと憎憎しさを漲らせた演技なんですわ、これが。見事に憎まれ役を演じきっております。)
清水書院から出ている『マーティン・L・キング』に、ローザ・パークス事件で表舞台に登場してきたキング牧師が、抗議の大衆集会における基調講演で
わが同胞よ、人間には抑圧の鉄足で踏みにじられることに我慢できなくなる時があるのだ!
と叫んで万雷の拍手を受けたことが書かれていますが、このドラマを見ると、あらためてそれがとても腑に落ちました。
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