大統領になりそこなった男

 内藤陽介氏の『大統領になりそこなった男たち』を読了。

 第8章がRFKについてですが、他の章も勉強になりました。


大統領になりそこなった男たち (中公新書ラクレ)

大統領になりそこなった男たち (中公新書ラクレ)


 アイルランド系(自認)・カトリックで最初に大統領候補となったアルフレッド・スミス(第5章)については、カトリックの大統領候補問題に関する文章では、よく引き合いに出される名前でしたので知ってはいましたが、具体的にどんな人だったかは知らなかったので、特に興味深かったです。

 あとは、名門タフト家について知ることができてよかった(第6章)。


 さて、ボビーについての第8章「ロバート・フランシス・ケネディ―兄と同じく銃弾に倒れたボビーの“予言”―」ですが。

 私としては、今まで読んだ日本語で書かれたRFKに関する文章の中で、最もいいと思った内容でした。

 過不足なく、押さえるべきところは押さえ(南アフリカでの演説やキング牧師暗殺の日の演説のさわりをちゃんと引用しているのがいい)、過度に賛美するわけでもなく、過度に偶像破壊的なことを書くわけでもないという、ほどよい距離感と適度な情報量。

 ボビー入門にちょうどよく、これで人に勧められる日本語の本が登場したと嬉しくなりました。


 果たして、ボビーの「予言」は当るのか?

 バラク・オバマは、「40年後」に本当に大統領になれるのか!?

−is moving so fast in the race relations a Negro could be President in 40 years... "There is no question about it," the Attorney General said. "In the next 40 years a Negro can achieve the same position that my brother