緒言が語るRFKの魅力

 前に触れたロングマンLibrary of American Biographyシリーズ中の一冊として出版されたジョセフ・パレルモのRFKの伝記を読み始めました。

 

Robert F. Kennedy And the Death of American Idealism (Library of American Biography Series)

Robert F. Kennedy And the Death of American Idealism (Library of American Biography Series)

パレルモといえば(?)、In His Own Rightです。
 この本は、私の英語能力不足とアメリカ現代史や政治状況に対する無知のため、結構読みにくかった…(ーー;)。
 所々すごく興味深いエピソードや考察が書かれていたのが、私にとって救いだった本ですね。(まあ、この本を購入した動機の半分は、いわゆるジャケ買いでしたもので。残り半分は上院議員時代のボビーを知りたいという真面目なものだったのですが…。)

 

In His Own Right: The Political Odyssey of Senator Robert F. Kennedy (Columbia Studies in Contemporary American History)

In His Own Right: The Political Odyssey of Senator Robert F. Kennedy (Columbia Studies in Contemporary American History)

 パレルモのRFKについての新著は、若者向けのシリーズに連なるものであるためか、英語が前のものよりも読みやすいように感じます。
 
 この本には編集者Mark C. Carinsの諸言がついているのですが、そこで一筆書きされているRFKの姿が核心を突いていると思ったので、いつもの拙訳でご紹介します。

 「ライブラリー・オブ・アメリカン・バイオグラフィー」シリーズの主題の大半は、重要な大統領、世界を揺るがした発明家、工業の巨人、そして社会運動の指導者たちである。ロバート・F・ケネディはそのどれでもなかった。彼は連邦政府で働いた―彼の兄、ジョン・フィツジェラルド・ケネディ政権下で司法長官としてその地位の絶頂を極めた―けれども、彼の名に関係づけられる政策は殆どない。政治家だったが、彼は38歳まで―彼がニューヨーク選出の上院議員になった歳―(上院などの)国政レベルの選挙に出なかった。そして彼は42歳で死んだ―このシリーズで取り上げる多くの人が著名になり始める歳である。

 では、なぜ、この伝記なのか?

 歴史はたいていの場合、全てのひとに聞かせるメッセージを吼えたけりながら表舞台を牛耳る人々によって占められているものだが、時々、あまり目につかない人々がその国の雰囲気よりよく表現することがある。(中略)

 ジョセフ・A・パレルモがこの示唆に富む伝記で論じているように、ロバート・ケネディは1960年代のアメリカを特徴づけた「約束と希望の精神を体現していた」。ロバート・ケネディはすぐにその象徴的な地位を獲得したわけではなかった・・・(中略)

 しかし、ロバート・ケネディは変化した。1960年代の間、国(アメリカ)がそうであったように。

(中略)

 伝記を書いたパレルモは、彼はまたIn His own Rightの著者でもあるが、ロバート・ケネディの、草の根の活動家たちを鼓吹して彼ら自身が持つ熱意といい関係を構築する能力を強調している。

(中略)

 ロバート・ケネディは斃れたが、この本は彼の人生が持つ永遠の力の証しである。

 おお、いいこと言ってくださっているではないですか。

 薄い本なので、そのうち読み終えるだろうと期待しております。

 実は、ハルバースタムのRFK本を入手して読み始めたのですが、結構厚い本であることと67年から68年のアメリカの政治情勢の詳細な記述のために手こずってなかなか読み終わらず、ついパレルモの本に手を出してしまいました……薄いから。

 ああ、もっと英語力を伸ばさないと。


*

 これは、ブラジル訪問時に歓迎されるRFK。なんとなく、「約束と希望の精神を体現」していたボビーを連想する写真のような気がして。