『新しい時代』

 図書館で『新しい時代』という題名の本を借りてちょびちょびと読んでいます。
 著者はロバート・F・ケネディ

 ひょっとして、To Seek a Newer World の翻訳かなあと期待したのですが、A New Day の翻訳本でした。ちょっとがっかり。

 

To Seek a Newer World

To Seek a Newer World

 A New Day は、RFK暗殺直後に、彼の文章や演説から一部を抜粋してテーマ毎に整理したアンソロジーみたいなもの。日本での発行年月日が昭和43年10月なので、殺された年の秋にはもう日本語訳が出ていたわけだ。
 
 やはり、日本語訳で読めるのは楽だなあと思いつつ読んでます。
 もっとも、急いで訳されているためか、日本語がこなれていない部分があるみたい。

 中はこんな感じ。

 すすんで共通の目的に参加する精神は、建国以来のアメリカを形づくってきた精神であった。それは、今日の困難を明日の残虐な行為の弁解として受け取らない精神である。それは、過去に縛られたものではなくて未来に向かっている自由な精神なのである――それはよりよき国家を築こうとする国民の知恵と努力を頼りにしている。それこそ、私がアメリカ合衆国にとりもどしたいと願っている精神であり――そして、私が大統領に立候補したのものそのためである。(9p)

 世界文明でのわれわれの役割は、われわれ自身の要求が、他人の希望と尊厳に一致しているという事実にかかっています。実際的で現実的な行為が、われわれのもっとも深遠の理想と確信とに一致しているという事実にかかっているのです。それはこの国の精神と意味が、もしも、われわれが他の人たちに手をさしのべないで、自己にしがみついていれば、危険にさらされるという事実にかかっているのです。(10p)

 未来は今日に満足しきっていて、共通の問題や同胞に冷淡で、新しい考えや大胆な計画を前にして臆したり、怖れたりする連中のものではありません。それは、むしろ、アメリカ社会の理想や大いなる企てに個人として参加する際に、情熱や理性や勇気を十二分に活用できる人たちのものといえるでしょう。それは、英知というものが、論点の衝突、根の深い、敵意を持った信条の激しい表現からのみ、現れうるということがわかる人たちのものといえるでしょう。プラトンはいっています。「批評のない人生は生きるに値しない」と。
 これはアメリカン・デモクラシーの根本精神なのです…これこそ、われわれの国の希望なのです。(21p)

 いやあ、ボビーだなあ。
 
  しばらく、『新しい時代』の抜粋が続くかもしれません。もっとも、このところむやみと忙しいので、あまり更新できないかも。