The Hope, the Tragedy, and Why He Still Matters

 Vanity Fair の2008年6月号を入手したので、早速ボビー関連記事を読んでみました。

 http://www.vanityfair.com/magazine/toc/2008/toc200806
 
表紙のボビーは、説明によると1965年に南アメリカ訪問をしたときに Steve Schapiro によって撮影されたもので、LIFE誌のための写真だった由。

 シャピロさんはRFKの選挙ポスターの写真も担当したのだそうですが、あれを使うくらいなら、この写真を使ってほしかったですよ。このボビーはいいです!

 私は、あの選挙ポスターのRFKの顔がどうにも好きになれません。全然ボビーの良さが出てないと思っています。

 私だけではなく、ボビー本人もあの写真が嫌いだったらしい。彼は事前にちゃんとチェックしなかったらしく、出来上がったものを見て愕然としていやがったという話を読んだことがある。
 ハルバースタムもあのポスターのRFKの顔をけなしているし。


 さて、抜粋ですが。
 

http://www.vanityfair.com/politics/features/2008/06/rfk_excerpt200806


 68年のRFKの選挙戦に焦点を当てて書かれた本なので、彼の生涯を扱った伝記では省かれているような細部が記述されていて、それだけでもこの予備選挙に関してもっと知りたいと思っていた私は嬉しくなってしまいました。
 
 例えば、カンザス大学での講演についてRFKやその陣営の人びとがどう考えていて、どのような会話がかわされていたかが事細かに書かれていたりします。


 それと、この本は今も形を変えて継続しているイラク戦争の影にあるアメリカ合衆国を背景に控えつつ、68年のRFKの予備選挙について考察しているところがポイントかと思いました。

 
 ところで、RFKが二月の末か3月初めに選挙のレースに出馬すると決めた後、3月10日に行なわれるカリフォルニア、デラノでC・チャベスの非暴力を訴えるハンストを終了するミサに出ると決めたときの会話は、彼らしくて好きです。(拙訳)

 

 ケネディが行くべきかどうか論じ合った後、グスマンは彼に出馬を計画しているかどうか訊いた。「しなければならないと思っている」とケネディは答えた。「もしも出馬しなかったら、僕はジーン・マッカーシーを応援しなければならなくなるけれど、それを本心からやることはできないよ。たくさんの人が出馬にまだ反対してる。選挙にやる気満々の民主党議員たちは困惑していやがるだろう。でも、テトがなにもかも変えてしまったんだ。そして、自分が今打って出て予備選で頑張らなかったら、自分には何の意味もなくなってしまうと思っている。」
 グスマンはチャベスを支持することで、カリフォルニアの予備選挙でのある投票者たちの支持を失うかもしれないことを指摘した。「分かってるよ」とケネディは答えた。「でも、僕はセザールが好きなんだ。」

 ソロバン高く政治的計算ががっちりできそうで、実は結構できないRFKの一面を示すエピソードですねえ。